甘えていた、ただ、理由がほしかった。僕はなんでこんなにも弱いのだろうか、振り返るともう。。。
心の病【ツレがうつになりまして】を鑑賞
『仕事辞めなよ』
3年前に彼女に言われました。僕はその言葉を待っていました。
当時僕は自暴自棄の真っただ中、罪悪感は募るばかりなのに辞められない、そして気付けば心療内科へ。。
鬱病だった。
だが本作のようにはなっていない。
僕は甘えていたのだ、診断がでれば同情される、優しくされる、まかり通ると。
確かに彼女は誠心誠意尽くしてくれた、毎日なにもせずソファーにうずまる僕。
自分はきちんと仕事に行き、僕のご飯を毎日気にする。
『今日はなにした?そっかぁ、んじゃ明日はこれができといいね!ご飯何たべたい?』
毎日毎日、僕を気遣い、接してくれた。
そして僕はそれを裏切った。
もう徐々に回復しているのに、病人面で優しさを求め続けた。
恐らく彼女は気付いていたと思う、僕がただ甘えているだけだと。
働いていないので家賃も払わず彼女が全額払っていた、その上僕には支払いがあったので彼女に借金をする始末。
この映画でも、宮﨑あおい演じる【ハルさん】が夫の【ツレ】を気遣うシーンは幾度となく出てきますが、僕と彼女のそれはまた違う。
僕が偽物だったからだ。
鑑賞中、僕はこの主人公【ツレ】が羨ましく思うほどだった。
気持ちがわかる部分と、本物だったらこうなんだろうなぁという部分。
自分が嫌になる。
でもいまの僕は違う、そう言いきれる。
劇中最後のシーンで、妻のハルさんが、
「結婚式の時の誓いの言葉での、
病めるときも、健やかなるときも、
富めるときも、貧しきときも、
という言葉の意味を、改めて考えました」
というセリフがあります。
あぁ、夫婦っていうのはこんなにも支え合い、信じ合い、愛し合う二人のことを言うんだなぁ。
こんな夫婦になりたいと思わせる感動的なシーンです。
また泣きました。。
鑑賞後ひとこと
「仕事辞めなよ」
といってくれた彼女の愛情。いまさらだけど、僕はそれに必ず応えてみせる。
そう誓わせてくれた作品だった。
作品情報
仕事をバリバリこなすサラリーマンの夫、通称ツレ(堺雅人)が、ある日突然、心因性うつ病だと診断される。結婚5年目でありながら、ツレの変化にまったく 気付かなかった妻・晴子(宮崎あおい)は、妻としての自分を反省する一方、うつ病の原因が会社にあったことからツレに退職を迫る。会社を辞めたツレは徐々 に体調を回復させていくが……。